胃の機能に及ぼす効果
胃の機能に及ぼす効果について
内臓の運動や消化液の分泌調節については、内臓自身と自律神経よって調節されています。運動亢進を副交感神経、運動抑制を交感神経が調整しています。
体表から鍼や灸をすることにより、その刺激が神経を介し、脊髄に入ります。脊髄に入った刺激は自律神経を介し、内臓へ伝わります。この流れを体性―内臓反射といい、鍼灸が内臓に効果をもたらすメカニズムになります。
胃は口から入った食べ物を消化する器官になります。暴飲暴食をすれば、胃は激しく働き、その後疲弊し動きが悪くなります。その他にも、体調が悪いときや季節の変わり目あたりに胃の動きが悪くなることもあります。
胃において、食欲不振や消化不良といった場合、これは胃の運動低下になります。その為、手足といった末梢に鍼で刺激をすることにより、副交感神経を刺激します。副交感神経を刺激した結果、胃の運動が亢進します。末梢から脊髄へ刺激が伝わるので、これを上脊髄反射といいます。
逆に、胸やけや胃酸分泌過多といった胃の運動が亢進している場合には、お腹を刺激します。お腹を刺激することにより、交感神経を刺激します。交感神経を刺激した結果、胃の運動が抑制されます。これを脊髄反射といいます。
このように、生理学で証明されている反射を使い、自律神経に働きかけ、胃の機能を調整していきます。