内臓の血流に及ぼす効果
内臓の血流に及ぼす効果について
心臓から送り出される血液は、血管をとおり全身の臓器へ送らせますが、各臓器の血流量は一様ではありません。その臓器が持つ固有の機能により血流量が変化してきます。まずは、各臓器の血液の循環について説明します。
心臓は、全身に血液を送るポンプの役割を果たしているが、当然心臓も血液により栄養されている。心臓を栄養する冠状動脈が狭窄し、血流量が減ると狭心症の状態に陥ります。さらに、血流が減り、心筋の細胞が壊死すると心筋梗塞の状態になります。
肺は心臓の右心室というところから出された血液を受け取り、肺胞で酸素と二酸化炭素を交換し、心臓の左心房へ戻し、全身へ新鮮な血液を送ります。肺は、全身へ送る血液とは別に、酸素を含んだ血液を心臓から再びもらいます。その血液で、気管支や胸膜は栄養されています。
胃、肝臓、脾臓、小腸、すい臓、大腸、腎臓等の血液は腹部からの血管から供給さています。
血液循環の調整は、心臓から送り出される血液量と動脈を流れる血液量で調整します。心臓から送られる血液量が少なければ増やそうとするし、その逆でもあります。動脈の中を流れる血液量が多ければ血液量を減らし、その逆もあります。このように血液を調整しています。そして、これらの調節には各臓器の自己調節とホルモン等が関係してきます。
鍼灸刺激が皮膚や筋への血流の影響に対する研究に比べ、内臓については研究があまり多くなく、これから研究が必要です。しかし、一部の報告では、足三里というツボを鍼で刺激することにより、腎臓の血流量が変化し血圧の変動がみられました。また、内関というツボを鍼で刺激したことにより、心筋の収縮性に対する影響がでました。
このように鍼は内臓へ対して、なんらかな影響を与えます。しかし、研究が不十分なため、科学的には証明されていません。しかし、ここからは私の考えですが、鍼刺激を行うことにより、体が今自分に必要なことを選択的にとられていると思います。これは、前述した鍼を刺すことにより、血圧が上がったり、下がったりしたという実験を表わしているのかな思います。元々、体は自分で内部環境をコントロールしています。それが、なんらかのきっかけにより、異常な状態に陥っています。その為、鍼という刺激を体が受け取り、その刺激により体は一時的にでもコントロールを取り戻しているのではないでしょうか。