頭痛
頭痛について
頭痛とは、東部に感じる痛みの総称で、日常において極めてありふれた症状の一つです。
頭痛は機能性頭痛と症候性頭痛にわけられます。機能性頭痛とは、片頭痛・筋緊張型頭痛・群発性頭痛および三叉神経頭痛や自律神経性頭痛が含まれます。症候性頭痛とは、脳血管障害や脳腫瘍など生命にかかわる重篤な疾患が含まれています。ここでは、鍼灸適応の機能性頭痛について説明します。
片頭痛において、発症メカニズム説はいくつかあります。もっともポピュラーなものは、血管説です。片頭痛は前兆があることがあります。前兆としては、目の前がきらきら輝いてみえるたり、一部が暗く見えたりする閃輝暗点や結膜充血・鼻水・顔面紅潮等がおこります。この前兆時になんらかの原因により脳血流が低下し、発作時に血流が増加し、痛みが出現するというものです。その他にも三叉神経から血管拡張物質が分泌され痛みを引き起こす三叉神経血管説というものもあり、まだまだすべてが解明されたわけではありません。
片頭痛の症状としては、片側の頭痛(両方の場合もある)、ズキンズキンというような拍動性の痛み方、痛みは1~2時間程度継続し、ひどい場合は吐き気等を伴います。
筋緊張性頭痛においては、身体的・精神的ストレスにより頭に付着する筋肉が持続収縮をおこし、痛みを引き起こします。それが進行すると、血流が悪くなり、代謝物質や発痛物質が蓄積し、さらに疼痛がおこります。そして、痛みにより交感神経活動が高まり、筋肉が収縮し、また頭痛を起こすという悪循環がうまれます。筋緊張性頭痛は頭の筋肉の過緊張だけでなく、後頸部・肩甲上部・肩甲間部の筋の過緊張も関連しています。
また、発症機序は持続的な筋の収縮だけではなく、精神的緊張により脳からのエンドルフィン等が分泌低下し、痛覚が過敏な状態になり、頭痛をおこします。
この頭痛の症状としては、頭全体や後頭部にかけ、締め付けられるような痛みが出現します。痛みの強さについては、我慢できる程度で比較的、片頭痛よりは痛みが軽いです。
群発性頭痛においては、未だ発症機序が不明な点が多いです。症状としては、目の奥や周囲に耐えがたい痛みが起こり、発症したら1~2か月間繰り返しおこります。
発作中に見られる体の中の反応としては、内頚動脈の拡張と静脈還流の障害や、交感神経障害、副交感神経障害、内分泌障害等です。
気をつけなければならない症状
以下の症状があった場合、病院の受診をお勧めします。
・突然の激しい痛み
・悪心、嘔吐、意識障害、めまい等を伴う
・ろれつがまわらない、少ししゃべりにくい
・歩行障害、ふらつき
・巧緻運動障害(ボタンができない、箸がつかえない等)
・後頸部が突然硬くなった 等...
鍼灸での治療法
鍼灸の適応になる頭痛は、機能性頭痛になります。
筋緊張性頭痛
身体的・精神的ストレスにより、頸部・肩甲間部・肩上部・頭部の筋肉が過緊張しているため、これらをほぐしていきます。筋緊張をほぐすことにより、循環が良くなり、正常化していきます。
ご自宅では、お風呂に入ったり、マッサージをしたりして筋肉を休めてください。
片頭痛・群発性頭痛
これらの頭痛は、発作が起こり始めたら自律神経症状を伴うこともあり、動くのも嫌になるため、予防が重要になります。鍼灸では、側頭筋や三叉神経を刺激したり、自律神経の調整を行います。また、発作時においてはトリプタン系の鎮痛剤をお勧めします。