陣痛微弱
陣痛微弱について
分娩時の子宮の収縮(陣痛)が弱いく、子宮口があまり開かない場合を指します。頻度は0.9~9.0%の人に起こりえますので、比較的頻度の高いものになります。
原因としては、不明な点が多いですが、関係している因子については、いくつか考えられます。
【非産科的因子】
全身的因子
・疲労
・貧血、低栄養、飢餓、
・疼痛に対する不安等の心理的要因
局所的因子
・子宮発育不全
・子宮奇形
・子宮筋腫
・子宮の手術痕
・子宮の機能不全
【産科的因子】
・多胎
・羊水過多
・狭骨盤
・胎位、胎勢の異常(逆子等)
・巨大児
・膀胱、直腸の膨満
・前置胎盤 等が考えられます。
正常分娩において、分娩の前兆は、分娩開始の2~4時間前から不規則な子宮収縮が起きます。これが、数回起こっては消えます。やがて、産徴(出血)がみられると、分娩になります。
分娩開始は、規則的な陣痛から始まります。規則的な陣痛とは、10分以内の規則的な子宮収縮周期、あるいは1時間に6回以上の周期で産婦が陣痛を訴える場合です。
鍼灸での治療
陣痛微弱においては、鍼灸単独では行いません。必ず、専門医の管理下で行います。
鍼灸治療は、陣痛微弱が判明してからの治療ではなく、あらかじめ自然分娩できるように体を整えていきます。つまり、陣痛微弱の予防です。この場合、足、骨盤のツボに鍼やお灸を行います。自宅で簡易的なお灸を行うことも効果的です。
また、予定日より遅れている場合においても、専門医の許可のもと実施し、陣痛誘発剤を使用せず、出産した例もあります。