腰椎分離・すべり症
腰椎分離・すべり症について
脊椎分離症とは、椎骨にある椎弓(椎骨の一部で背中側に出っ張っている部位)が何らかの原因で分離してしまったものです。
脊椎すべり症とは、脊椎分離症と椎骨がお腹側でずれてしまった状態のものをいいます。
脊椎分離症から脊椎すべり症へ移行する確率は10%~20%といわれていて、好発時期は40歳代で、椎間板が変形し、すべり症が発症すると言われています。
しかし、重度のすべり症に関しましては、ほとんどが10~14歳頃のスポーツに起因し発生しています。小学生~中学生期に激しい運動や腰椎の過伸展(腰を大きく後ろにそらすこと)により、腰椎下部に負担がかかり、疲労骨折をおこし、分離やすべりがおこると考えます。
特に第4腰椎のすべりが多く、症状としては初期は腰痛です。その他に大腿後面まで痛みが出る人もいれば、ひどい場合ですと、足にしびれや間欠性跛行(長距離を休まずに歩けない歩行)を呈します。
痛みや症状は、安静時では軽減し、動作によって増強します。特に、同一姿勢や重いものを持ち上げることにより、増悪します。
鍼灸での治療法
一般的な治療では、
小児の場合
・装具固定:体育は装具をしたたままなら参加が可能ですが、部活動は原則禁止である。
・薬物療法:痛みに対しての治療
・理学療法:温熱や、レーザー治療、腰椎の牽引、ストレッチ、筋力訓練
・手術
成人の場合
・日常生活指導:腰椎に負担のかからない姿勢を意識する。ハイヒールの禁止。肥満の場合は、減量。
・腰椎保護ベルト:腰部の安静支持目的
・薬物療法:痛みに対しての治療
・理学療法:温熱や、レーザー治療、腰椎の牽引、ストレッチ、筋力訓練
・手術
鍼灸治療では、腰痛やしびれの症状緩和を目的とします。ひどい腰痛や間欠性跛行等の症状がある場合は、手術適応の可能性があります。
鍼は、椎間関節性腰痛と同様に椎間関節部周囲へ刺していきます。鍼の効果である循環改善や疼痛緩和により、症状が軽減します。
その他に、重要になってくるのは生活指導になります。上記で記載したとおり、腰椎に負担のかからない姿勢を意識してください。