脳卒中の後遺症

脳卒中の後遺症について

脳卒中とは、脳梗塞、脳出血、くも膜下出血、脳動静脈奇形に伴う出血等で発症するものです。

脳卒中は、通常、突発的に発症して、意識障害、高次脳機能障害(失語、失認、失行等)、脳神経障害、運動・感覚障害、自律神経障害等の症状が出現します。その後、回復していきますが、回復していく中で残った症状を脳卒中後遺症といいます。特に、運動麻痺、感覚障害、構音障害、失語症等です。

この後遺症の改善には、リハビリや治療が必要となります。ここで、過度の安静を行うと二次障害をおこします。この二次障害は廃用症候群と呼ばれていて、長期の安静の為に筋萎縮、骨萎縮、関節拘縮、褥瘡、起立性低血圧、静脈血栓症、抑うつ、認知症等の全身または局所症状が現れます。その為に、病院では術後にすぐリハビリを行い、早めの社会復帰を目指します。

 

鍼灸での治療法

一般的に、運動麻痺に対する治療は、理学・作業療法による機能回復訓練のリハビリです。また、感覚障害に対しては低周波治療等の物理療法になります。

鍼灸では、後遺症が起こり6か月以上たっているものより、発症してすぐのものに特に効果があります。6か月以上経過したものについては、後遺症の改善は難しく、後遺症を治すというよりは廃用症候群の予防や日々の生活の質をあげる目的になります。

運動麻痺の治療の場合、拮抗筋の抑制を目的とします。拮抗筋が硬くなり、運動制限が起きています。その為、その拮抗筋に電気を流し、筋肉を支配している神経に対し、アプローチします。

また、拮抗筋に対しての鍼治療だけでなく、醒脳開竅法という方法もあります。こちらは、中国で考案された脳卒中の後遺症に対する鍼治療法になります。東洋医学的な考えのもと、鍼を刺し、気を通すというものになります。日本においても、病院等で使用されています。

その他にも、頭鍼療法という頭に鍼を刺す方法もあります。こちらは、東洋医学の理論に基づき頭をいくつかの部位に区分けを行い、そこに鍼をすることにより反射的に脳を刺激するという方法になります。最近はこの頭鍼療法も日本で脚光を浴びています。その理由としましては、お医者さんがこの頭鍼療法も用い、脳卒中の患者さんを治療して、成果をあげているからです。ちなみに、海外では、頭鍼療法はメジャーになっています。