黄体機能不全
黄体機能不全について
黄体機能不全は基礎体温の調整不良の一種です。黄体機能が正常な場合、体温が上昇します。つまり、基礎体温の高温期を維持します。その高温期を維持する黄体機能が不全の場合、高温期が短くなり、妊娠の着床を妨げます。
正常な場合、月経が始まりしばらくすると、
①脳の下垂体からFSH(卵胞刺激ホルモン)が放出される
②FSHにより、卵胞の成熟とエストロジェン(卵胞ホルモン)が分泌を促す
③エストロジェンの増加により、子宮内膜の肥厚
④さらにエストロジェンの濃度が高まり、LH(黄体形成ホルモン)の分泌が増加する(LHサージ)
⑤排卵が起こる
⑥LHの作用により、卵胞が黄体へ変わり、プロジェステロン(黄体ホルモン)が分泌される
⑦受精しない場合、黄体が退化しプロジェステロン濃度が低下する。妊娠した場合、黄体は妊娠黄体に変わり、プロジェステロンが分泌されつづけ、体温は上昇し、生理が止まる
一番妊娠しやすいのは、排卵の2日前~1日後になります。排卵が起こらなかったりすると妊娠しにくいのです。ここで、重要になってくるのはエストロジェン(卵胞ホルモン)というホルモンになります。エストロジェンの分泌により、排卵が起こり、その後の黄体へ作用していきます。つまり、黄体機能不全とは、このエストロジェンの分泌異常が関係しているということです。
では、なぜエストロジェンの分泌異常が起こるのでしょうか?それは、卵巣機能異常と間脳や下垂体の機能異常が関係してきます。
エストロジェンは卵巣から分泌されます。卵巣の機能異常では、エストロジェンの分泌が減少します。
卵巣機能異常の原因として、
①喫煙:喫煙により、エストロジェンの産生・分泌低下。また、非喫煙者と比べ、早期閉経になる可能性が2倍になる。
②肥満:脂肪細胞からエストロジェンが放出されるため、卵巣からのエストロジェンが減少。結果、卵巣機能低下になる。
③やせ:エストロジェンの原料はコレステロールの為、原料不足で分泌も不足する。
間脳や下垂体からエストロジェンの分泌を促すFSH(卵胞刺激ホルモン)が分泌され、このホルモンによりエストロジェンが分泌されます。間脳や下垂体の機能異常により、FSHの分泌が低下し、結果、エストロジェンの分泌も低下します。下垂体の機能異常はストレスや生活習慣のみだれ、排卵誘発剤の長期使用、原因不明等があります。