ホルモン検査値
女性ホルモンの数値は月経周期によりことなります。
月経周期(28日周期の場合)は卵胞期(約1~14日目)、卵胞期(約14日目)、黄体期(15~28日目)にわけられます。
エストラジオール(エストロゲン、E2)、プロゲステロン、LH、FSH、プロラクチンの作用につきましては、各項目の説明をご参照ください。
【エストラジオール】
エストラジオールは卵胞の発育を促進させる作用があります。
卵巣機能を直接判断するホルモンとして重要です。
一般的にLHやFSHと同時に採血されることが多く、月経開始3日目~7日目以内の採決が標準です。
低値の場合、卵巣機能低下を示します。また、月経3日目あたりで80pg/ml以上を示すような場合も卵巣機能低下を意味します。
【プロゲステロン】
プロゲステロンは体温上昇、子宮内膜を厚くさせ、妊娠を維持させる働きがあります。
黄体機能評価の基本になります。
黄体期中期の正常値は10ng/ml以上とされています。
【ゴナドトロピン FSH、LH】
ゴナドトロピン(FSH、LH)は卵胞の発育促進や排卵を促すというような作用があります。
ゴナドトロピンの基礎値により下垂体性排卵障害か卵巣性排卵障害かのある程度の判別ができます。
加齢とともにFSH基礎値が上昇し、妊孕力が低下するという報告が数多くされています。
FSH測定は月経周期3日目の血液検査が多いです。
FSHが15mIU/ml未満の場合、妊娠率が高く、15mIU/ml以上の場合、妊娠率は低下します。この場合、卵巣機能低下(下垂体性もしくは卵巣性障害)の可能性が示唆されます。同時に、発育卵胞数、採卵数にも差がみられることが多いです。
FSHが40mIU/ml以上の場合、卵巣性排卵障害の可能性が考えられます。
【プロラクチン】
プロラクチン乳汁分泌に関わるホルモンです。
高プロラクチン血症の場合、乳漏症、排卵障害、黄体機能不全、初期流産との関連が報告されています。
プロラクチン値は排卵期でやや上昇しますが、食事、運動、睡眠、ストレス、乳房刺激、内診による疼痛刺激等によっても上昇します。また、向精神薬、降圧剤、胃腸薬のと関連も報告されています。
高プロラクチン血症の診断基準は昼間安静時の血中プロラクチン値が15ng/mlとされています。
50ng/mlの場合、下垂体プロラクチノーマ等の器質的疾患の可能性も考えられます。
【テストステロン】
テストステロンは男性ホルモンの一種です。
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)が疑われる場合、必須のホルモン検査になります。
測定時期は3日目~7日目になります。